企業インターン体験
2010.11.4

発表の会場は多目的教室。
生徒たちは前回のワークでの経験を生かして、前日までに準備を済ませ、原稿を読んだり段取りを確認したりしながら、いい緊張感で本番に臨みます。

この日発表するのは7チーム。
明日は3チームが発表することになりました。

明日発表することになった日清食品の「DOLL」チームは、“イクラで社会貢献”というテーマに少し行き詰っているようです。メンバーの1人が「やっぱり、あれじゃあかんと思う」と切り出し、今日チーム全員で残って仕上げることになりました。「みんなでちゃんと本気出してやらなあかんな」と、明日の発表を前に火がついたようでした。


今日最初の発表は、大塚製薬の「DROP」チームです。
オロナインの歴史を整理して伝え、「オロナインH軟膏で鼻パックをすると綺麗に取れる」といった裏技も紹介し、見ているみんなも「へ~、やってみよう」ととても興味をもって聞いていました。 そして、中高生が使いやすいように“かわいくて持ち運びやすいもの”にしたいという発想から、筆ペンタイプのオロナインを提案しました。


2番目は日清食品の「神聖かまってさん」チーム。
日清食品の社風を調べ、“楽しむ”ことを目標に社会貢献を考えたとのこと。実際にとても楽しそうにブレストしていたこのチームは、食べ終わったカップを楽しく使うアイディアを伝えていきます。
「カップの底に占いを印刷し、最後まで食べてもらったら、タニシを飼うことができます」。
タニシを飼うという発想に、「すごい発想だ」と会場も盛り上がり、「創意工夫で日常は楽しくなる」と締めくくって発表を終えました。


続いて日清食品の「華」チーム。
会社の成り立ちや商品をていねいに調べ、それを踏まえて「自分たちは世界に驚きを伝えたい」と語ります。ひとつのカップラーメンの容器に仕切りを入れて2つの味が楽しめる、というアイディアを提案しました。


次は大塚製薬の「華頂風月」。
緊張しながらも、オロナインH軟膏の歴史を一生懸命に伝えました。
役割分担がなかなかうまくいかずに苦労したけれど、本番では事前に打ち合わせをしたり、順番に発表をしたりとしっかり役割を分担。若い芸能人を起用したCMをつくりたいと提案しました。


5番目は日清食品の「AKB4」チーム。
「食こそ、生きていく上でいちばん大事である」ということをチームでじっくり考えたと発表し、お湯ではなく水でつくれるカップラーメンで社会貢献をすると提案しました。最後に、「当たり前に食べていることが、実はとてもすごいことだと考えるきっかけになった」と感想を伝えました。


日清食品チーム「miwa team」は、最初の自己紹介でさりげなく各自の好きな日清食品の商品を紹介。 「自分たちは数ある環境問題の中で食物連鎖と外来種生物について興味を持ち、ぜひ伝えたいと思った」「そのことをカップヌードルのパッケージに載せて世の中を啓蒙したい」と提案。
アンケートを取って、消費者がお湯を入れて待っている間にパッケージを見ている率が高いことを知り、「できあがるまでの3分間で啓蒙できる内容にします」と伝えていました。


最後の発表は大塚製薬の「ぼんぼんず」チーム。
ポーチに入るオロナインH軟膏や、薬箱に眠っているオロナインをインテリアとして飾れるよう、お洒落なガラスケースに入れることを提案。具体的にガラスケースをビジュアル化した、説得力のあるプレゼンでした。



最後に、「身近にあるさまざまな商品は長年考えて、自分たちのようにいろいろな人が真剣にアイディアを出し合って、何年もかけてていねいにつくられていることを知りました。今回自分たちでやりきったことが、今後の人生において何よりの強みになると思います」と伝えました。



「ハラハラしながら見ていましたが、みんなやりきってほっとしました」「わかりやすい発表だとみんな真剣に聞き、反応も示しますね。ちょっとわかりにくかったりすると、途端に聴き手はダレていくということが、生徒たちもよくわかったのではないかと思います。何より、どのチームも楽しんでやっていたのがよかった」と、先生も生徒たちのがんばりを称えていました。


本当に、各チーム工夫して自分たちならではのやり方で伝えていました。
「伝えること、考えることが、これから自分の強みになると思う」と生徒のひとりが力強く言っていて、その声が深く心に残りました。