JRC


2018.8.16~8.22 国際交流事業に参加してきました

高校2年 金城いくみ

●国際交流事業とは

一年ごとに交互に、海外に日本の赤十字メンバーを派遣、海外からの赤十字メンバーの受け入れをし、海外と交流する事業です。 今回、日本は赤十字メンバーを派遣する年だったので、近畿地方の各都道府県から二人ずつ選抜され計12人がマレーシアに派遣されました。

●動機と目的

赤十字の国際交流事業に参加する動機と目的として、マレーシアと日本の高校生の日常の違いや、日本とマレーシアの当たり前の違いを交流したいと思いました。
実際に交流してみて日本と異なることがたくさんありました。自分では考えられない新しい発見があったので、それらのことについてまとめていきます。

●マレーシアと日本の違い

1.高校生の日常の違い

マレーシアは他民族国家のため、高校で着用する制服では同じ性別でもデザインが違います。例えば、インド系の民族の生徒が着用している制服です。宗教の関係上、肌をあまり露出してはいけないため制服は頭をすっぽりと覆いつくすようなデザインになっています。マレーシアでは、それぞれの宗教を尊重しあい、お互いが暮らしやすいように工夫をしています。

2.ユースの活動と意識の違い

マレーシア赤新月ユースメンバーは、一人一人の意識が高く怪我をした場合のシュミレーション訓練では、怪我人の演技はもちろん、手当てをするユースメンバーの手際が驚くほどよかったです。この訓練では、どこで誰が何をしてどうなったかという設定がされており、ユースメンバーは救急車が到着するまでの間、どのように対応し手当をするのか自己で判断しなければいけません。 さらに驚いたのが、訓練終了後自分の手当てに納得がいかず、涙をながして泣いているユースメンバーがたくさんいました。日本では、行われていない活動と意識の違いに考えさせられました。

3.食事

マレーシアでは、朝と夜外食をすることが多く家で食べることは少ないようです。さらに私がホームステイをした家庭では、中華系とインド系に分かれていたため、同じ家族でも宗教によって食べられるものと食べられないものがありました。そしてなんといっても食事量が多いです。あまり食べない私に気を使ってくれたのか、ホストマザーがイタリアンのお店につれて行ってくれたりもしました。そこで、料理で出てきた貝殻を吹っ飛ばしたのはいい思い出です。

4.献血

マレーシアには献血ルームがなく、大体はショッピングモールか病院で献血を行うそうです。私たちが見学に行ったショッピングモールでの献血は、広場でそのまま献血をしていました。採血をするときも日本と違い注射器ではなく、針のようなもので指先を指して血液型の確認を行っていました。 日本では、献血をした人にお菓子や飲み物のサービスがあります。マレーシアでも同じように、献血した人に飲み物やお菓子のサービスがありました。

5.災害

日本では、地震や津波、大雪など様々な自然災害があります。マレーシア赤新月のユースメンバーと行ったグループディスカッションでは、災害と対策について話し合いました。マレーシアには自然災害よりも人災のほうが多いそうです。例えば、大気汚染などです。確かに、マレーシアの町は奥の方が霧がかかったように白く濁っていました。対策として、マスクの着用などを提案しました。 話し合いの進行はユースメンバーが進めてくれ、日本の災害に興味をもって積極的に質問を投げかけてくれたりもしました。ここでも意識の違いを感じ、自分の行動を考えさせられました。

●まとめ

国際交流を通じて、意識の違いや活動の違い、スキルの違いなど様々な違いを痛感させられました。正直、マレーシアに行って私たちが普段行っている青少年赤十字活動で生かされたことはありませんでした。それほど、マレーシア赤新月のユースメンバーは一人一人の意識が高く積極的に活動しています。日本のJRCも、もっと積極的に活動するべきです。まずは、自分の学校のJRC部の活動を見直していきたいです。 私がマレーシアで一番困ったのは、言葉の壁でした。通じないことが多々あり、何度も心が折れかけました。英語が聞き取れず会話にならないこともありました。しかし、そんな私に嫌気もささず彼らはゆっくり話したり、翻訳機を使って私と積極的にコミュニケーションをとってくれたりしました。マレーシアから帰国した後も、連絡をとりあうほど仲良くなれました。言葉が通じなくても、積極的にコミュニケーションをとることで言葉の壁を乗り越えることができると初めて実感しました。自分から積極的に行動する大切さや、相手への気遣いの重要さなど国際交流で得られた経験を他のメンバーに伝えていきたいです。 最後に、今回の国際派遣事業を支えてくださった方々に感謝を述べるとともに、この素晴らしい取り組みに京都代表として選出され、参加できたことを本当に光栄に思います。一緒に派遣された日本人メンバーとも最高の一週間を過ごすことができました。ぜひこの経験を今後の活動に生かしていきたいです。